これからの動画ファイルはmp4だ!ということで、今回は地デジチューナーから取り出したTSファイルをffmpegでエンコードする方法についてまとめます。
私は面倒なのでCMカット等の編集作業は行いません。録画したTSファイルを自動的に圧縮(エンコード)して、効率よく保存する事に重きを置いていますので、編集について情報収集したい方にはこのページは不向きかもしれないです。
yumにてffmpeg-develをインストールします。通常版だと音声のエンコードでエラーを出して無音のmp4ファイルが出来上がってしまうため、devel版を用います。
私は、この問題はffmpegの設定で回避するものと思い込み、ハマってしまいました。
# yum install ffmpeg-devel.i386
Error while decoding stream #0.1 Error while decoding stream #0.1 Error while decoding stream #0.1 Error while decoding stream #0.1
この問題は、ぱぱネット(仮)(2009-07-01)さんの所で説明されており、解決するための差分パッチも用意されているようです。
しかし、わざわざソースからコンパイルする事は避けたかったので採用しません。
mp4の設定はがべこれログ - Garbage Collection Logさんの設定でほぼいけちゃいます。
チューナーから取り出したTSファイル(生TS)は、何も加工しなければフルセグの他に、ワンセグや文字情報のデータも入ったままの状態で、これらはProgram IDで区別されています。Program IDはffmpegで簡単に調べることができます。
$ ffmpeg -y -i [生TSファイル]
上記コマンドを実行すると、以下のような結果が出力されます。(エンコードは行われません。)
Last message repeated 1 times [h264 @ 0x85aab10]decode_slice_header error [h264 @ 0x85aab10]no frame! Seems stream 0 codec frame rate differs from container frame rate: 59.94 (60000/1001) -> 29.97 (30000/1001) Seems stream 2 codec frame rate differs from container frame rate: 29.97 (30000/1001) -> 14.99 (15000/1001) Input #0, mpegts, from 'GR16_20100807215400_20100807220000.mp4_tmp.ts': Duration: 00:06:00.23, start: 85253.616078, bitrate: 14806 kb/s Program 2064 ~ÍÂÓKhF|J|Aw Stream #0.0[0x111]: Video: mpeg2video, yuv420p, 1440x1080 [PAR 4:3 DAR 16:9], 20000 kb/s, 29.97 tbr, 90k tbn, 59.94 tbc Stream #0.1[0x112]: Audio: aac, 48000 Hz, stereo, s16, 193 kb/s Program 2065 ~ÍÂÓKhF|J|Aw² Stream #0.0[0x111]: Video: mpeg2video, yuv420p, 1440x1080 [PAR 4:3 DAR 16:9], 20000 kb/s, 29.97 tbr, 90k tbn, 59.94 tbc Stream #0.1[0x112]: Audio: aac, 48000 Hz, stereo, s16, 193 kb/s Program 2066 ~ÍÂÓKhF|J|Aw³ Stream #0.0[0x111]: Video: mpeg2video, yuv420p, 1440x1080 [PAR 4:3 DAR 16:9], 20000 kb/s, 29.97 tbr, 90k tbn, 59.94 tbc Stream #0.1[0x112]: Audio: aac, 48000 Hz, stereo, s16, 193 kb/s Program 2448 ~ÍÂÓKhF|J|Aw7HBS Stream #0.2[0x281]: Video: h264, yuv420p, 320x180, 14.99 tbr, 90k tbn, 29.97 tbc Stream #0.3[0x283]: Audio: aac, 24000 Hz, stereo, s16, 46 kb/s Program 2199 ~Ç|¬¤É At least one output file must be specified
上記結果より、Program IDの後ろで文字化けしていますが、Program 2448がワンセグ、Program 2199が文字情報である事がわかります。
TSファイルを扱う他のHPなどでは、いったんフルセグデータをtssplitterで分離してからエンコードするように解説している所もありましたが、実際は生TSをそのままエンコードしても問題ありませんでした。
さらに、ffmpegでエンコードする際、Program IDを指定するオプション -programid [Program ID] が使える事も他のHPで紹介されていますが、ここにも落とし穴がありました。
エンコードする時に-programid 2064 と指定しても、なぜかワンセグ動画が出力される事があるのです。原因は不明ですが、出力ファイルの解像度を指定する事で回避できる事がわかりました。さらに言うと、解像度さえ指定してしまえば、入力ファイルが生TSだったとしても自動でフルセグデータがエンコードされるようです。(つまり -sオプションは必須)
私的には、精神的に安心を得るために一応Program IDを指定しています。
-programid | -s | 結果 |
有り | 無し | NG ワンセグデータでエンコードされる場合がある |
無し | 有り | OK |
有り | 有り | OK(採用!) |
上記をふまえたコマンドです。あとは音ズレ問題に対処するだけで完成です。
$ ffmpeg -y -i [生TSファイル] -f mp4 -vcodec libx264 -vpre /var/xxx/yyy/libx264-hq-ts.ffpreset -r 30000/1001 -aspect 16:9 -s 1440x1080 -bufsize 20000k -maxrate 25000k -acodec libfaac -ac 2 -ar 48000 -ab 128k -programid [プログラムID] [出力ファイル]
上記コマンドでは、エンコードに成功はするものの、音声が映像よりコンマ数秒遅れます。視聴していても気になる程なので、改善が必要です。
そこで、画像と音声の同期をとるオプション -vsync 1を追加します。
最終的なコマンドです。
$ ffmpeg -y -i [生TSファイル] -f mp4 -vcodec libx264 -vpre /var/xxx/yyy/libx264-hq-ts.ffpreset -r 30000/1001 -aspect 16:9 -s 1440x1080 -bufsize 20000k -maxrate 25000k -vsync 1 -acodec libfaac -ac 2 -ar 48000 -ab 128k -programid [プログラムID] [出力ファイル]
がべこれログ - Garbage Collection Logffmpegエンコード設定について詳しく解説
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